ラ・フィーユ・マル・ガルデ(La Fille mal gardee, Die schlecht behuetete Tochter) 7回目の公演 2005年7月1日(金)
音楽 | フェルディナン・エロール ジョン・ランチベリー編曲 |
振付 | フレデリック・アシュトン |
原作 | ジャン・ドーベルヴァル | 舞台美術・衣裳 | オスバート・ランカスター |
指導 | アレクサンダー・グラント、ジェイン・エリオット | ||
指揮 | アンドレ・プレッスール | 演奏 | フィルハーモニッシュ・シュターツオーケストラ |
リーズ | シルヴィア・アッツォーニ |
未亡人シモーヌ 裕福な農園の女主人 リーズの母 |
ケヴィン・ヘイゲン |
コーラス、若い農夫 | アレクサンドル・リアブコ |
トーマス 金持ちのぶどう園の主人 |
セバスティン・ティル |
アラン、トーマスの息子 | 服部有吉 |
リーズの友達 | エレーヌ・ブシェー、ジョルジーナ・ブロードハースト、 カトリーヌ・デュモン、アンナ・ハウレット、 ステラ・カナトウーリ、マリア・コウソウニ、 リサ・トッド、マリアナ・ザナットー |
コーラスの友達 | アントン・アレクサンドロフ、シルヴァーノ・バロン、 ピーター・ディングル、エミル・ファスクートディノフ、 アルセン・メグラビアン、ステファーノ・パルミジャーノ |
笛吹き | ティアゴ・ボーディン |
村の公証人 | ロリス・ボナーニ |
彼の書記官 | コンスタンティン・ツェリコフ |
若い雄鶏 | コンスタンティン・ツェリコフ |
雌鶏 | パウラ・Archangelo※、位下純名(イゲ・ジュンナ)※、 ケイコ・オオイシ※、アンナ・レナ・ヴィーク※ |
農婦たち | アーニャ・ベーレント、オデット・ボーヒェール、 アリソン・ブッカー、クリステル・チェンネレッリ、 フィリパ・クック、ゲイレン・ジョンストン、 イリーナ・クロウグリコヴァ、カロリナ・マンクーソ、 アンナ・ラウデール、アンナ・Rabsztyn、 ミリアナ・Vracaric、ディナ・ツァリポヴァ |
農夫たち | ステファン・ボウゴン、アントナン・コメスタッツ、 オーカン・ダン、ボイコ・ドセフ、 アンドリュー・ホール、エドウィン・レヴァツォフ |
そしてポニーは・・・Scheckpony-Team-Nord |
※ハンブルク・バレエ学校の学生
この作品に対する私の出した結論は、私のお気に入りの作品群には入らないということです。
いわゆるチャイコフスキー3大古典バレエの“白鳥の湖”も、“くるみ割り人形”も、“眠れる森の美女”もお気に入りの作品群に入っていない私の感想ですからどうぞそのおつもりでお読みください。
今回の公演は大好きなダンサーによるものなので、さぞ楽しいだろうと期待していました。ケヴィン・ヘイゲンのシモーヌ(彼がやはり最初に来るのです)、服部有吉のアラン(信じられないくらいものすごいステップでした)、コーラスのアレクサンドル・リアブコ(いつもなら彼の踊りには目が離せませんのに)、リーズのシルヴィア・アッツォーニ(あの細いからだのどこにエネルギーが潜んでいるんでしょう)、ステージ写真からも楽しさが伝わっていたし。付け加えればリハーサルの写真もとっても魅力的だったのに。もちろん、アンサンブルのみなさんも含めて、テクニック、芝居、ものすごく上手でしたよ、いうまでもないことですが(シルヴィアのちょっとしたミスはありましたが)。
ところが楽しめなかったのです。なんだか終わって茫然としてしまいました。作品の問題もあるのでしょうけど、ハンブルクのダンサーにはこういう作品は向かないのではないかしら? 決して軽い作品が、というわけではないのですよ。ノイマイヤーにもモーツァルトを使った軽い作品はありますし。登場人物の描写という面でアシュトンの作品には甘い面があるのかしら? 音楽の深みのなさも問題かもしれません。
どうせなら、バーミング・ロイヤル・バレエの公演でこの作品を取り上げてくれたら、もうちょっとはっきりしたのにとかとも思ってしまいます。
私のお気に入りのシーンは、冒頭の雄鶏と雌鶏の軽やかな踊りのシーン、笛吹きティアゴ・ボーディンの軽さ(アントルシャかな)、リボンを編んでいくシーン(すごく速いスピードのように感じました、こういうところだけは現代的ね、と思いながら)です。中央ではシルヴィアとサーシャが踊っているのにオペラ・グラスでアンサンブルのダンサーの人たちを見ていたなんて初めてでした。
そしてカーテン・コールの時に、熱心なバレエ愛好家の女性が、花束を舞台に投げ込めないためにオーケストラの団員に花束を投げ込むように頼み、そしてヴァイオリン奏者からヴァイオリン奏者へと花束が渡されていき、最後に2人のヴァイオリン奏者の間で、お前が投げろよ、とでもいうように押し付け(?譲り合い)があった後で、無事花束は舞台へ。私はそれに大喝采をしてしまいました。おお、W、誰もあなたには逆らえません。
でも終わった後、楽屋口でケヴィンにしっかりプログラムにサインを貰ってしまいました。どうしても足が勝手にケヴィンの方へ行ってしまうんですもの。それに昨年友人に送ってもらったプログラムがあるのに、それを持ってくるのを忘れたので、サインを貰うためにまたプログラムを買ったんですもの。まあ、ハンブルクのプログラムは安いんですけどね。これが今回貰った唯一のサインです。シモーヌはあまり魅力的ではありませんでしたが、ケヴィンはステキ。
(S)